付き合っているときは何の問題もなかった。一緒に住み始めてから、急に噛み合わなくなった。
これはよくある話で、しかも理由がかなりはっきりしています。恋愛期に見えている面と、生活で出てくる面は、MBTIの違う軸に対応しているからです。
デート期に効くのはE/I軸(会う頻度)とT/F軸(喧嘩の仕方)。生活期に効くのはJ/P軸とS/N軸で、この2本は付き合っているだけではほとんど表に出ません。
自分のタイプが分からない場合は40問の診断へ。2人の組み合わせは相性チェッカーで確認できます。
J / P :同棲で最も揉める軸
何が起きるか
J型は「決まっている状態」で安心し、P型は「決められる状態」で安心します。
- J型:週末の予定を月曜に決めたい。P型:当日の気分で決めたい
- J型:食材は買い置きして献立を組む。P型:その日食べたいものを買う
- J型:洗濯は火・金。P型:溜まったら
- J型:旅行は分刻みで計画。P型:着いてから考える
どれも生活そのものです。だから毎日ぶつかる。
誤解されやすい点
J型はP型を「だらしない」と見て、P型はJ型を「神経質」と見ます。どちらも違います。
P型は片付けられないのではなく、「今それをやる必然性」が立たないと着手できない。J型は神経質なのではなく、未決定の項目が頭の中に居座り続けて消耗する。
J型の「まだ決まってないの?」は責めているのではなく、本当に苦しいのです。P型の「あとでやる」は逃げではなく、本当にあとでやるつもりです(そして本当にやる場合も多い)。
事前に決めておくこと
- 「決めない日」を決める。 月に何日かは予定を入れない日にする。J型にとっては「決定」なので許容でき、P型にとっては自由時間になります
- 家事は「頻度」ではなく「基準」で決める。 「毎日掃除機」ではなく「床に物が出ていない状態を保つ」。J型は頻度で、P型は基準で管理するほうが続きます
- 決定の期限だけ決める。 「旅行先は出発2週間前までに決める。それまでは変えていい」。P型は探索の時間を得て、J型は期限が見えて落ち着きます
- 突発の変更に対するコストを共有する。 J型にとって直前の予定変更は、P型が思っているより負荷が大きい。「気軽に変えられるでしょ」は通じません
S / N :お金と将来の話でぶつかる
生活が始まると、将来設計の話が出てきます。ここでS/N軸が出ます。
S型は現実の数字から積み上げ、N型は理想像から逆算します。
N型が「いつか地方に移住して暮らしたい」と話す。S型が「収入はどうするの、家はどうするの」と返す。N型は夢を否定されたと感じ、S型は無責任だと感じる。
逆に、S型が「まず貯金を月5万」と提案し、N型が「何のために貯めるのかが分からない」と乗らない。N型は目的が見えないと動きません。
事前に決めておくこと
- 「話す会」と「決める会」を分ける。 構想を話す日には数字を持ち込まない。決める日には理想論を持ち込まない。混ぜると必ず片方が不満を持ちます
- N型が語る将来像に、S型はまず「それが実現したらどんな生活?」と聞く。 否定ではなく解像度を上げる質問なら、N型は具体化に協力します
- 家計の管理はS型が向くことが多いが、N型を蚊帳の外に置かない。 目的が共有されていないN型は、あとで大きな支出を独断でやります
T / F :喧嘩が長引く/終わらない
恋愛期にも出ますが、生活期には逃げ場がないので深刻になります。
T型は問題を解決したい。F型は関係を修復したい。 順序が違います。
T型が原因分析を始めると、F型は「私が悪いと立証しようとしている」と受け取る。F型が感情を訴えると、T型は「話が進まない」と苛立つ。
事前に決めておくこと
- 喧嘩のときの手順を、平時に決めておく。 「まず10分は事実確認をしない。感情の話だけする。そのあと解決策」。順序を先に合意しておくと、当日の判断が不要になります
- F型は「もういい」を使わない、T型は「もういい」を字義通りに取らない。 この一語だけで壊れた関係はかなりの数あります
- T型はF型に対して「あなたの意図は疑っていない」を最初に言う。 これがないと、以降の内容は届きません
- F型はT型に対して、察してもらう前提をやめる。 「今は解決策じゃなくて聞いてほしい」と言葉にする
E / I :家の中の「一人の時間」
同棲すると、I型は物理的に一人になれなくなります。
これは想像以上に効きます。I型にとって回復は「一人でいること」でしか起きないため、家に常に人がいる状態は、好きな相手であっても消耗が続きます。そして本人は「好きなのに一人になりたいと思う自分」に罪悪感を持つので、言い出せません。
E型は、家に人がいるのに話しかけられない状態を「無視されている」と感じます。
事前に決めておくこと
- 一人の時間を、悪いことではなく設計として扱う。 「土曜午前は各自別行動」のようにルール化してしまえば、どちらも傷つきません
- I型は「一人になりたい」ではなく「回復したら話したい」と伝える。 同じ内容ですが、E型の受け取り方がまったく変わります
- E型は「今日どうだった?」を帰宅直後に聞かない。 I型は帰宅後30分は言語が出ません
結婚前に一度話しておくとよい5つの質問
タイプに関係なく、この5つはJ/P・S/N・T/F・E/Iのすべてを炙り出します。
- 予定が急に変わったとき、どのくらいストレスを感じる?(J/P)
- 休日、何も決まっていない状態はうれしい?落ち着かない?(J/P)
- 相談されたとき、まず解決策を出す?まず聞く?(T/F)
- 将来の話をするとき、数字から入りたい?イメージから入りたい?(S/N)
- 疲れているとき、人といたい?一人でいたい?(E/I)
タイプを当てるための質問ではありません。 相手の答えを聞いて、自分と違ったら「そこは事前に取り決めが要る場所」だと分かる。それだけで十分です。
相性が「×」でも問題ない理由
相性表で×が付く組み合わせは、判断の軸か注意の向きが正面から違うという意味です。うまくいかないという意味ではありません。
実際、長く続いている夫婦にはこの組み合わせが普通にいます。共通しているのは、違いを性格の問題ではなく仕様の違いとして扱っていることです。
「なんで分かってくれないの」を「この人はここが違う。だからこう伝える」に置き換えられるかどうか。MBTIが役に立つのは、その置き換えのためです。
生活の中で毎日ぶつかる場所
同棲や結婚で摩擦が起きるのは、大きな価値観の違いではないことがほとんどです。日常の細かい場面の積み重ねです。
朝の過ごし方。 起きてすぐ話しかけられるのが平気か、しばらく一人でいたいか。ここが違うと、毎朝小さな摩擦が起きます。
帰宅後の時間。 すぐ会話したいか、切り替えの時間が必要か。回復の仕方が違うと、どちらかが我慢することになります。
休日の使い方。 予定を決めておきたいか、当日の気分で決めたいか。この違いは毎週現れます。
家事の基準。 どこまでやれば終わりなのか。頻度で管理するか、状態で管理するか。
来客と外出。 どのくらいの頻度で人と会うか。片方にとって回復であることが、もう片方にとっては消耗です。
これらはすべて、四つの軸のどれかで説明できます。そして、事前に話しておけば、ほとんどが取り決めで解決します。
事前に取り決めておくこと
同棲や結婚の前に決めておくと、後の摩擦が大きく減る項目があります。
一人の時間の確保。 どちらかが一人になる時間を必要とするなら、それを設計に組み込んでください。部屋を分ける、時間帯をずらす、外に出る日を作る。後から言い出すと拒絶と受け取られるため、最初に決めておくほうが安全です。
決定の期限。 何かを決めるとき、いつまでに決めるかを合意する習慣を作ってください。決まらない状態そのものではなく、いつまで続くか分からない状態が問題を生みます。
家事の基準。 頻度ではなく状態で決めると、両方が納得しやすくなります。「毎日掃除機」ではなく「床に物が出ていない状態を保つ」。
喧嘩のときの手順。 平時に決めておいてください。まず感情の話をして、そのあと解決策。順序を先に合意しておくと、当日の判断が不要になります。
お金の管理。 誰がどこまで把握するか。細かい管理を必要とする人と、大枠でよい人がいます。
これらは、価値観の話ではなく運用の話です。だから、話し合いで決められます。
生活が始まってから気づくこと
恋愛期には見えなかったものが、生活を共にすると見えてきます。よくあるものを挙げておきます。
片付けの基準が違う。 物が出ていることに耐えられない人と、気にならない人がいます。どちらが正しいという話ではありません。共有スペースだけ基準を合わせ、個人の領域は干渉しない、という線引きが現実的です。
時間感覚が違う。 十分前に着く人と、時間ちょうどに着く人。どちらも遅刻していませんが、感覚が違います。
予定の変更への耐性が違う。 直前の変更を「柔軟」と捉えるか「約束を軽んじている」と捉えるか。
沈黙の受け取り方が違う。 黙っている時間を心地よいと感じる人と、気まずいと感じる人がいます。
疲れたときの回復方法が違う。 一人になりたい人と、話したい人。ここが逆だと、疲れているときほどすれ違います。
いずれも、事前に話しておけば衝突を減らせます。生活が始まってから初めて気づくと、感情が絡んだ状態で調整することになります。
長く続く関係の共通点
生活を共にして長く続いている組み合わせには、共通点があります。
違いを性格の問題として扱っていません。 「なんで分かってくれないの」ではなく「この人はここが違う」。この置き換えができています。
取り決めがあります。 察してもらうことに頼らず、明示的なルールを持っています。
一人の時間を尊重しています。 常に一緒にいることを愛情の証としていません。
定期的に確認しています。 不満が溜まる前に、聞く場を作っています。
変えられない部分を受け入れています。 相手を変えようとする関わりを続けていません。
これらはいずれも、タイプにかかわらず有効です。MBTIは、どこを取り決めるべきかを教えてくれる道具として使ってください。
決めておくと後で効く小さな取り決め
大きな価値観の話より、小さな運用の取り決めのほうが、日常の摩擦を減らします。
連絡のルール。 帰りが遅くなるとき、何分前までに伝えるか。数字で決めておくと、揉めません。
買い物の相談ライン。 いくら以上は相談するか。金額で決めておくと、判断で迷いません。
予定の共有方法。 口頭かカレンダーか。方法を一つに決めてください。二つ以上あると、伝わっていない事故が起きます。
片付けの共有範囲。 共有スペースだけ基準を合わせ、個人の領域には干渉しない。この線引きが最も現実的です。
回復の時間。 それぞれが一人になる時間を、曜日か時間帯で決めておきます。後から言い出すと拒絶に見えるため、最初に決めておくほうが安全です。
そして、取り決めを見直す時期も決めてください。 半年に一度で十分です。合わなくなったものを放置すると、守れないルールが不満に変わります。
よくある質問
Q. 相性が悪いと結婚は難しいですか
そうではありません。噛み合わない場所が分かっているという意味です。取り決めで多くが解決します。
Q. 何から話せばいいですか
一人の時間の確保、決定の期限、家事の基準、喧嘩の手順、お金の管理。この五つが優先度が高い項目です。
Q. 相手が話し合いに応じません
話し合いという形式が負担な場合があります。書面で共有する、少しずつ話す、といった形に変えると応じることがあります。
Q. 恋愛期は問題なかったのに
恋愛期に効く軸と、生活期に効く軸が違うためです。特に予定の決め方は、生活を共にして初めて表に出ます。
Q. 片付けの基準が合いません
共有スペースだけ基準を合わせ、個人の領域は干渉しない形が現実的です。
Q. 相性を個別に調べたいのですが
→ 相性チェッカー で二タイプの相性を両方向から確認できます。
Q. 恋愛での使い方も知りたいのですが
→ 恋愛でMBTIをどう使うか にまとめています。
Q. 自分のタイプを知りたいのですが
→ 40問のタイプ診断 で確認できます。
